一ヴィンヤードの人がコンシェルジュをやる理由
それを聞いて皆さまはどう思いますか?
- 自分とこのワインをえこひいきするんでしょ?
- 当事者だからこそ、よりリアルに我が事化できる
- なんでコンシェルジュをするの?
- コンシェルジュなんてしてて、畑は大丈夫なの⁉️
- 三者の気持ちがわかるコンシェルジュ
ご存知の方もいると思いますが。私は2016年にワイン用ぶどう栽培を始めたヴィンヤードの妻。でも同時に自称「千曲川ワインコンシェルジュ」でもあります。
※呼称は自称ですが、イベントでコンシェルジュしたり、ワイナリー案内などの活動はしてますのでご安心を。
「造り手なら自分とこのワインばっかりおススメして、中立的な立場でコンシェルジュできないんじゃない?」
悲しいことに、実際にそう言う人がいるのです…。ちょっとでもマイナスな印象を持った方に特に読んでほしいのです。
自分とこのワインをえこひいきするんでしょ?
実は特定のワインやワイナリーを贔屓するって、実は難しいんです。
私の前職はイタリアワインの商社。対消費者へ直接販売をする機会も多かったのですが、同じワインを同じように説明して飲んでもらっても、反応は十人十色。面白いですよね。
私が心の底から美味しいと思っていても、イマイチと言う人、私が美味しくないと思っていても絶賛→購入する人。
そんな経験を繰り返すうちに、ワインも人も結局は相性で、巡り会いなんだと思うようになりました。だから、さまざまな千曲川ワインバレーを知れば知るほど、特定のワイン、ワイナリーを贔屓するのは逆に難しい。
あと、なによりコンシェルジュは人のニーズを的確に広い、アドバイスをするのがお仕事なので、ちょっとでもいやしい気持ちで贔屓のワインを紹介なんてしたら消費者は見抜くし、コンシェルジュとして、いや人としての信用に欠ける❗️
余談ですが、田舎ほど信用が大事な場所はないんですよ…笑
当事者だからこそ、よりリアルに我が事化できる
私もね、数年前はコンサルのはしくれのように、様々な企業の社長達に店舗運営や経営についてあーだこーだアドバイスしてました。
でも、こうやっていざ自分で自営業をやってみると感じることがあるんです。
「オマエ(外の人)にウチの何がわかるんじゃー‼️」と。
当時の社長達も同じ気持ちだったと思います。もちろん役に立つアドバイスもあるし、すごく親身な人もいる。けれど結局は他人。わかっているようでわかっていないこともある。
それに皆が寝静まる夜中や休日、四六時中会社のことを真剣に考えてくれてるわけではないし、会社が潰れても一瞬悲しんではくれても結局は他人事です。路頭に迷うわけでもないし、収入がゼロになるわけでもない。
一ヴィンヤードの人だから、当事者だから、もう必死ですよ。。。ワイン業界を盛り上げて、一人でも多くの人にワインを買ってもらうためにどうしたら良いか、造り手が持続可能な商売とはどんな形か、産地形成とは、などなど、常に真剣に考えて活動しています
なんでコンシェルジュをするの?
一言で言うと、マーケット拡大というより大きな目標のためです。日本の酒の消費量は減少の一途。特に若者のお酒離れは深刻です。私達のワイン用ぶどう造りは、数年で完結するものではなく、何十年と育てていくもの。一年に一回しか収穫&仕込みができないけれど、ぶどうの木は何十年と生きていく。
子供、孫の代までの将来を考えなければなりません。何十年先、お酒業界、ワイン業界が今より盛り上がるよう、より広い視野でできる限りの努力をすることは生産者として必然の活動ではないかと思っています。
コンシェルジュなんてしてて、畑は大丈夫なの⁉️
はい、大丈夫です‼️元々、結婚前から旦那が一人で始めた畑。苗植えや収穫など、お手伝いを募集することもありますが、基本一人でできる範囲の広さで始めたと旦那は言っています。
ほら、私だって、会社員時代に色々なワイン用ぶどう畑に通ってぶどう栽培したといっても、所詮週末農家。作業スピードは遅いし、やったことない作業はまだまだあります。戦力としてそんなに期待されてません❗️笑。
それに、何より旦那は私のコンシェルジュとしての活動を理解し、応援してくれていますので、それ以上何も言うことは無いですよね…?
↓以下はオマケ↓
三者の気持ちがわかるコンシェルジュ
ソムリエという資格を持っている、ということ以上に、日本全国ワインを求めて旅をした経験や、イタリアワインの会社に勤め、百貨店バイヤーや消費者へ直接ワインを販売した経験は、生産者にはなかなかいません(ほら、私、怪しい人じゃないでしょ?笑)。
だからこそ、飲み手と造り手、しいては中間の売り手までもの気持ちがわかるコンシェルジュって必要だと思いませんか?
今回も長々と書いてしまいました…。
思いが爆発してすみません💣
こうやって書いてると、ずっと日本ワインを愛する飲み手であり、一時期は売り手であり、キャリアは浅いけどヴィンヤードの妻である私が、千曲川ワインバレー、日本ワインを盛り上げる活動をするって、やっぱり理にかなっていると思うのです。
困ることといえば、体が一つしかないことくらい。昨日40℃近く熱が出ちゃったし…。